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老外汉学家的车轱辘话(14)在北京挑战共享单车

2018/10/31

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 14回 北京シェア自転車に挑戦

  

 藤井省三

 

  読者の皆様には申し訳ないことに、昨年12月掲載の「繰り言」以来、一年近く休筆してしまった。私は去る3月末に30年勤務した東京大学文学部を定年退休しており、退休前三か月の土日返上の忙しさに続けて、退休後も持ち越した宿題の片付けに追われ、なかなか本欄に復帰できなかったのである。

 

  それでも9月に北京の中国人民大学にやって来て、ひと月が過ぎる頃には、ゆとりが生じて来た。私は人大文学院でこの三年間毎年二か月の集中講演を行っており、去年までの二年間は三、四度に分けて出張し、毎年合計八回の講演などの仕事をこなしていたのだが、退休後の今年は910月連続滞在が可能となったのである。

 

  そこでまずは体力作りと思い、この二年間、憧れてきた“共享单車(シェア自転車)”に挑戦することにした。約四〇年前に留学した時にはもちろん、1995年に北京大学で訪問学者として半年余りを過ごした時でも、自転車は庶民の主要な交通機関であった。当時の北京の人口は市街一〇区の700万と遠郊地区の400万とをあわせて約1100万、そこに八一八万台の自転車が走っていたのだ。幼児や相当な高齢者を除けば自転車は一人に一台普及していたわけであり、文化人類学者の西澤治彦さんは「中国社会における自転車は、ちょうどアメリカ社会における自動車の位置にほぼ相当する」と言っていたものである(『アジア読本 中国』河出書房新社、1995年)。

 

    ところがこの20年来の急速なモータリゼーションと2008年北京オリンピック前後の地下鉄網の急拡大により、この街における自転車の影は薄くなるいっぽうであった。車道の自転車専用レーンも歩道の料金徴収係兼管理人付の自転車置き場もいつの間にか消えてしまい、北京の街は自動車にすっかり占領されてしまった。昨年の統計によれば北京の乗用車保有台数は564万で中国第一位であるという(http://bj.people.com.cn/n2/2018/0116/c82840-31149279.html 20181011日検索)。この台数は二〇年前の自転車に迫るものであり、大気汚染の原因の一つにこのモータリゼーションが指摘されている。ちなみに2017年の常住人口は約2170万人である。

 

  そのいっぽうで私が人大“海外名師”に就任した2016年の9月頃から、北京始め中国の各大都市ではシェア自転車が爆発的に普及していた。100元を前払いすれば、料金1元(約16円)で1時間借用できて、好きな場所で乗り降りできるのだから、6キロまで3元の地下鉄と比べてもお安く、初乗り3キロで13元のタクシーよりも圧倒的に廉価である。歩道などに乗り捨てた自転車は、業者がGPSで車体を追跡回収するとはいえ、やはり違法放置になるのだが、当局は大気汚染改善や環境保護に役立つ点を評価したのか、シェア自転車についてはお目こぼしという対応をしていたようである。人大の学内でも学生さんたちが宿舍と講義室棟との間の移動や近場への外出に盛んに利用していた。

 

  もっとも最近ではシェア自転車は過当競争で倒産や合併の動きが強まっている。そもそも料金1元では収益が上がるはずもなく、運営会社は前払い金の運用で黒字を出そうとしていたが、新規利用者数が頭打ちになると、たちまち資金が尽きてしまうとのことである。歩道などに大量に放置された自転車に対し、地方政府も運営会社に回収を要求し始めている。そのようなわけで、九か月ぶりに北京に来てみると、路上でも人大学内でもシェア自転車は激減していたのである。

 

  とはいえ、雨天が少なく、平坦で歩道も広い(駐車場に転用されていることが多いが)北京では、自転車は実に使い出が良いのだ。幸い北京の大気汚染も昨年と比べてやや改善されており、昔懐かしき素適な「北京秋天(ペキンのあき)」が戻りつつある。そこで私はシェア自転車に挑戦することにしたのである。

 

  ところがシェア自転車の入会や、路上の自転車の施錠・解錠・利用料金支払いはすべてスマホのアプリで行わねばならない。未だに携帯電話の着信音が鳴るだけでオタオタしてしまう私にとって、アプリの操作は大難関である。有り難いことに人大は“海外名師”に院生助手を付けて、講演準備のための資料収集などに便宜を図って下さっている。この院生助手で博士論文執筆中のL君に対し、私は恐縮ながらアプリ操作のご教示をお願いすることにした。

 

  L君は手慣れたようすで、入会申請作業を数分で終わらせ、運営会社からの返信に従い私が顔の脇にパスポートを掲げた写真を送るなどして、その間にもQRコードを使ってのシェア自転車の解錠方法を教えてくれた。おおこれで私も秋空の北京を東西南北に走り回り、疲れたら地下鉄で宿舍に帰還するシェア自転車サイクリングが楽しめるのだ、と大いに胸を膨らませていた。ところが翌日届いた通知は、本サービスの対象は1265歳のお客様であるため、お一人でのシェア自転車サービスのご利用はお勧めしません――すなわち丁重なお断りであった。

 

  日本でも高齢者ドライバーによる自動車事故が社会問題化していることを考えると、シェア自転車会社が年令制限を設けるのは一つの見識と言うべきであるのだが、寂しい思いは禁じ得ない。去年の内に入会しておけば65歳を過ぎても継続利用できたのでは・・・・などと未練がましく思ういっぽうで、シェア自転車の健全な発展を祈る次第である。

 

著者略歴

 

1952年生まれ。1982年東京大学大学院人文系研究科博士課程修了、1991年文学博士。1985年桜美林大学文学部助教授、1988年東京大学文学部助教授、1994年同教授、2018年退休、東京大学名誉教授。200514年日本学術会議会員に就任。専攻は現代中国語圏の文学と映画。主な著書に『中国語圏文学史』、『魯迅と日本文学――漱石・鷗外から清張・春樹まで』、『村上春樹のなかの中国』、『中国映画 百年を描く、百年を読む』など。

 

 本文は著者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解を代表するものではありません。

 

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