老外汉学家的车轱辘话(8)东京大学第90届五月校园节与中国高校的联欢会
2017/06/13
“老外漢学家”の繰り言(8)東大第90回五月祭と中国の大学聯歓会
藤井省三(東京大学教授)
今年も東大本郷キャンパスで5月20日21日の土日に五月祭(ごがつさい)が開かれた。この学園祭は名前の通り毎年5月に開催され、今年で90回目を迎える。その概要については、学生さんが自主運営している五月祭常任委員会ホームページの説明を引用しよう。「昨年は約500の団体が参加し、およそ15万人もの方にご来場いただくなど、全国屈指の規模を誇ります。/普段は落ち着いた雰囲気に包まれている本郷・弥生キャンパスですが、五月祭当日にはところせましと模擬店が立ち並び、キャンパス各地で華やかなパフォーマンスが催されるなど、学園祭特有のエネルギッシュな一面をのぞかせます。」
私も学生時代には能狂言研究会という日本古典劇研究のクラブに参加しており、五月祭で狂言を上演した思い出がある。東大中文研究室の学生さんたちも時々参加しており、数年前には羊肉串(シシカバブ)を焼いて青島ビールと椰子汁(ココナッツ・ジュース)を販売する模擬店を出していた。五月祭当日に研究棟前の赤門通りの中文テントを訪ねてみると、わが研究室の日本人男子学生が新疆の伝統的帽子を被って羊肉串を焼きながら、日本語と中国語で呼びこみをしており、中国人女子留学生たちが照れ臭そうに、売り子をしている。私も二串一缶を買って立ち食い立ち飲みをしていると、通りかかりの中国人来場者が男子学生を見て、“他是新疆人嗎?(彼は新疆人か?)”と言うので、私は危うくビールを吹き出すところだった。
学生さんたちは事前に一口2000円で出資金を募集していたので、私もカンパと思い一口応じたところ、五月祭終了後に10%の配当金と共に出資金が返金された。仕入れ量の9割程度が販売でき、利益があがったというのだ。羊肉串は日本人には珍しく、中国人には懐かしく、売れ行きも悪くなかったのだろう。学生さんたちの2日間の労働の成果であるこの配当金は、出資金と共に研究室コンパに寄付することにした。
このように五月祭では飲食の模擬店が200店以上並び、その内半分は研究室やサークルの学生さんによる出店、残りの半分は一年生の語学クラス単位による出店だという。もちろんこれ以外にも、クラシックからロックまでの演奏会、教室を使っての研究発表展示会、各種講演会や模擬裁判までが行われている。今年の五月祭常任委員会委員長の篠田恵美さんがホームページに書いているように、「五月祭、それは東大生からの「贈り物」」なのである――市民や学内外の学生さん向けの。
中国の大学でこの学園祭に相当するものは聯歓会であろう。私は何度か聯歓会に参加したことがあり、八年前に招かれた北大中文系の聯歓会は特に印象に残っている。これは同系主催の五・四運動九〇周年記念シンポに合わせて企画された聯歓会である。この会では、五・四運動以来の北大中文系の歴史を、北大関係者の文芸作品に関する高水準の朗読、歌唱、ダンスで描き出すもので、二時間ほどがあっと言う間に過ぎてしまった記憶がある。総じて中国の大学の聯歓会は、格調高い文化ショーといえよう――但し学内向けの。
一〇余年前に中国の大学の聯歓会で、日本人留学生が些か冗談が過ぎたパフォーマンスを行い、それが中国人学生の反発を引き起こし、ひと騒動に発展したことがある。おそらく日本人留学生は日本の学園祭のノリでパフォーマンスを行い、格調高い中国聯歓会の常識に抵触してしまったのではあるまいか。この事件は日中両国の学園文化の差による誤解が発端であったといえよう。
さて東大五月祭ではこれまで、中国留学生学友会が手作り餃子と青島ビールの模擬店を出しており、私もこれを楽しみにしてきた。ところが今年は同会のテントでは市販の真空パックの小龍包を蒸しており、ビールも販売していなかったのはちょっと残念であった。ちなみに東大在学中の留学生数は、去年11月の時点で3700名余り、その内中国人は1800名余りである。
著者略歴
1952年生まれ。1982年東京大学大学院人文系研究科博士課程修了、1991年文学博士。1985年桜美林大学文学部助教授、1988年東京大学文学部助教授、1994年同教授、2005~14年日本学術会議会員に就任。専攻は現代中国語圏の文学と映画。主な著書に『中国語圏文学史』、『魯迅と日本文学――漱石・鷗外から清張・春樹まで』、『村上春樹のなかの中国』、『中国映画 百年を描く、百年を読む』など。
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